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《プチレッスン》第12回/続・ペン描き道場
〜ペン描き向きの色について〜

2021年8月2日掲載
 


 
少し前の第8回に、
入門・ペン描き道場』というタイトルで
ペンで描くことの基礎、
その意味や、基本的に必要なツールについて、
お話致しました。
 
その中でも少し触れたのですが、
ペンで描く際に、
何色で線を描くか、ということも、
一つ大事な問題になってきます。
 
まずそもそも、
描きやすい色と描きにくい色というのがあります。
基本的には、大ざっぱですが、
濃いめの色が描きやすく、
薄めの色は描きにくい、と言っていいでしょう。
(濃いめ・薄めの中でも差はありますが)
薄い色は白い絵具を含む量が多く、
もったりと伸びにくい、
というものが多いです。
 
色々な絵がありますから、
その時々で違うのですが、
まず一般的に、ごくシンプルに、
線描きメインで絵を描きたい、
というケースでは、
黒っぽい色が
チョイスの中心になると思います。
 
そういった中でおすすめ出来る色、
また、黒っぽいもの以外で、
ペンで描くのに向いている色など、
そのケースごとに、参考写真とともに、
色々ご紹介したいと思います。
 
○○○○○○○○○○○○○○○○○○
 
まず最初に、私も、
ペン描きするときに一番使うことが多いのが、
こちら、『バーガンディー』です。


 

 
「バーガンディー」という色は、
濃いと限りなく黒に近いですが、
紫や茶が少しずつ感じられる色で、
黒よりも少しやわらかい印象です。
そして、薄くなった時の色が
上品に表現できるのがいい所です。
濃淡が出しやすいので、
単独で線画として描くケースに、
とてもよく使います。



ウォルナットブラウン』も、
私が普段描く作品の中では、
登場する頻度がかなり高い色です。
 





 
茶と緑の間くらいの色で、
自然な雰囲気を生かした
植物を描きたい時の線描き、
これが一番使いやすいと思います。
人工的な感じがなく、よくなじみます。
クリスマスローズは茎や葉など、
ハナミズキは、
全ての線描きに使っています。
(*クリスマスローズは、
正確に言うと、ペンではなく
ディテールライナー小』という
筆で描いています。
赤い線は『マルベリー』です)



ペールシャドー』は、
こげ茶に少しベージュやグレーが混じったような、
主張しないけどやわらかい存在感がある、
という色です。
 



 
この線の色はとても上品な印象で、
桜のような和のモチーフにも使えますし、
自然なモチーフにも合うのですが、
そうではないイラスト風な絵付けをしたい時も、
強すぎすぎ弱すぎず、
でもさりげなく線としての存在を感じさせる、
とても貴重な色だと思います。
近い色で、もう少し茶色が濃い
コーヒー』もいい色です。



そしてもちろん、
ブラック』そのものを使うこともあります。
 

 

 
やはりメリハリをしっかりさせたい
北欧調の絵柄や、
和の絵付けでベースになる
線を描くときなどは、
線の上に色絵具をかぶせる、
ということが手法の主流でもあるので、
黒そのものを使うことが多いです。



以上、黒や茶系で、使いやすい
おすすめ色をご紹介しましたが、
他単色で完結させられる色として、
やはり赤や青は多くの方が、
使う機会があるかと思います。
 
赤絵、というジャンルがあるくらい、
赤は単色で使いやすく、
表現に奥行きを出せる色です。
また絵具の性質上、粒子が細かく、
伸びがいい絵具です。
 


洋絵具では『マイセンレッド』、
和絵具では『九谷赤』『朱赤』などが、
それに当たります。
どれも、ペンで描いても、
他の色の絵具に比べて描きやすいです。



青も色々種類があり、
特に薄い色でなければ、
ペンで描くのに支障はないので、
お好みの青でお描きいただけます。
 

 
より濃淡が出やすく、
使い勝手のいい色としては、
タペストリーブルー
が落ち着きのある紺色でおすすめです。
和のタッチにも合います。
線描きをしたり、単色で描くのには
この程度の濃さの色は
作業しやすいと思います。



また、
赤紫〜紫の系統の色も、
個性が強く、鮮やかな表現をしたい時に、
線描きするにも描きやすく、
使ってみたい色です。
 

 

 
ローズマロンNo.2』は
非常にはっきりとした強い赤紫色で、
エキゾチックな絵柄や
ポップな表現によく合います。



紫色も幅がありますが、
あまり青っぽくない、
どちらかというと少し赤寄りの紫
である『ディープルビー』が
伸びも良く、自分の好みです。
 

 
 

ヘレンドの絵付けのような、
線描き重視の絵も面白いですが、
比較して面白いのは、
普通の植物などを描くとき、
同じ絵で、先にご紹介した
「ウォルナットブラウン」や「ペールシャドー」
で線を描くのと、
このディープルビーで描くのでは、
だいぶ完成した絵の雰囲気が違う、
ということですね。
なんとなく想像していただけると、
違いがお分かりいただけると思います。



あえて薄い色を使いたい場合もあります。
最初に申し上げましたように、
薄い色は描いている線が見えにくい
というのもありますが、
やはり線を強調させたくないときは、
グレー系の色や、ベージュ系の色を
使って表現します。
 

 
金魚の線は『カシミヤベージュ』を使っています。
線として目立たせず、
金魚本体の白い体の雰囲気を
損なわないようにと思うと、
このような選択になります。



番外編として、
金色の絵具もご紹介します。
 

 
こちらは『ゴールドレリーフパウダー(レッドゴールド)』です。
金色の光沢を持つ絵具で、
単品で盛り上げることも出来る、
というタイプの絵具ですが、
線描きをすることも出来ます。
金液そのものでペン描きを
することももちろんあって、
豪華できれいですが
(金液でペン描きをするなら、
日本金液 ペンワーク専用マット金25%
の一択です。
描きやすさが、他の金とは違います)、
金そのものに比べて、
似た効果でお値段が安くすむことと、
作業時に修整などがしやすいのがメリットです。
絵具の粒子が粗いので、
こういった場合、ペン先は細すぎると
描きにくいです。
この絵具でペン描きするなら、
Gペン先』を使った方が描きやすいです。



最後は色々な絵具で描いている例です。
 

 
ネコはローズマロンNo.2、
草や葉の緑は『マラカイトグリーン』、
右上の花など、
茶色っぽく見えるのがペールシャドー、
左下の花などがゴールドレリーフパウダー、です。
多色使いも面白い世界を作れる
一つの例かと思います。



いかがでしたでしょうか。
線描きに何の色を使うかだけでも、
作品の雰囲気はだいぶ変わってきます。
ぜひ色々な絵具でお試しいただき、
お好みの色を見つけられれば、
制作がなお楽しい時間になると思います。
(文・講師/江川)
 

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