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《プチレッスン》第16回/ブラシミキシングで作る混色
〜松山講師のおすすめ編〜

2022年2月12日掲載
 


 
「混色」は絵付けの中でも
頻繁に行う技法のひとつですが、
「焼成」の工程が入ることで、
原料の組み合わせによる化学変化で
焼く前と焼いた後で
全く色が変わってしまうこともあり、
なかなか普通の絵具のように
混ぜたい色同士を使うことができない場合もあります。
 
混色全般の話をするとなかなか1日でも終わらない
壮大なテーマになってしまうので、今回は
私が良くブラシミキシングで使うおすすめの色合わせや
使い方をご紹介したいと思います。
 

「ブラシミキシングとは?」
絵付けでよく使うワードですが、
複数の色をパレットナイフでしっかりと
同一に混ぜる混色に対して、
筆のみで混ぜる混色の仕方です。
 


お互いに行ったり来たりを繰り返して混ぜる方法と、
タイルの余白にお互いの色を置いて
筆で混ぜる方法があります。
 
パレットナイフと違う点は、
描くごとに違う色になるので
色の変化ができることです。
やはり同じ色を画一的に塗っていくだけでは
面白味がなくなってしまうので、
色に変化をつけて深みを出したり、
柔らかい雰囲気を出したり、
表現の幅を広げることができるという感じでしょうか。
 
講師によって混ぜ方やよく使う色は違ってきますが、
私がよく作品で混色に使うベスト3が、基本色である
『ライトブルー』
『ライラックNo.1』
『ウォームピンク』
の組み合わせです。
個人的な話になってしまいますが、この3色は
普段かなり頻繁に使います。
 
例えばグリーンを作るのに
青系と黄色系を混ぜたりするのですが、
絵付けの絵具の場合は混色すると、
結構色のトーンが濁ってしまうんですね
(それを利用する場合もあります)。
ですのでクリアな青みのあるグリーンや
明るい若草色などを使いたい時は
なかなか混色で作ることが難しいので、
単色でできた色を使うことが多いです。
 
ですが、この紫、ピンク、ブルー同士は
混ぜても色があまり濁りにくく、
ある程度クリアさを残しつつ色の変化も楽しめます。
また、この3色は他の色と混色しても
便利さを発揮してくれます。


ブラシミキシングで描いた作品を
いくつかご紹介したいと思います。
 
まずはライラックのカップソーサー。
花の色はこの3色
(ライトブルー、ライラックNo.1、ウォームピンク)
のみで描いています。
 


それぞれ
ブルーの花はライトブルー、
紫の花はライラックNo.1、
ピンクの花はウォームピンクをメインに使いつつ、
 
ブルーの花にはライラックNo.1、
紫の花にはライトブルー、
ピンクの花にはライラックNo.1を
少しずつブラシミキシングしています。
微妙に変化する色も、お互いを混ぜあうことで
色のなじみも良くなります。

 


こちらはアジサイのお花の部分の混色です。
メインはライラックNo.1とウォームピンクですが、
所々ブルーがかっている所は
ライトブルーを足しています。
 



こちらもアジサイの花の部分ですが、
ライラックNo.1とウォームピンクの2色で
ブラシミキシングしています。
メインをピンクで、少し紫を足している感じです。
所々筆で混ぜる比率を変えて変化をつけています。
特にこの2色同士は
クリアさを残したまま混色ができます。

 
もうひとつ、この3色を別の色と混色して使用する時に
便利な使い方をご紹介します。
 
葉を描く時、一色の緑だけだと単調になったりするので、
使用している緑にライトブルーやライラックNo.1を
少しブラシミキシングして濃くすることがあります。
同じ色の系統で濃くしたり落ち着かせたい時に便利です。
 

 
こちらは、第一焼成で単色のグリーンで描いた葉に
第二焼成で濃い色を足したい時に、
グリーンにライトブルーを
ブラシミキシングしています。
系統の色は同じで、
オリーブがかった濃いグリーンになるので、
同じグリーンを足すだけよりも
自然にメリハリをつけることができます。
同じようにライラックNo.1を混ぜても
同様の効果が得られます。
私はこの2色をよくグリーンに混ぜて使っています。
 
また、枝やツルなどを描きたい時や
葉先に濃いアクセントを入れたい時。
ちょっと茶系が必要な時ってありますよね。
ブラウン系を別に溶いても良いのですが、
葉はグリーン系を使いますし、
お花ではピンク系を使うことが多いので、
グリーンにピンクを混ぜて、
似た色を作ってしまいます。
動画はグリーンにウォームピンクを混ぜています。
このパターンもよく使います。
 

 

いかがでしたでしょうか?
全てが混色で事足りる訳ではありませんが、
この3色のような単色でも混色でも使いやすい
基本色を持っていると本当に便利に使えますし、
またそれとは逆に、混ぜずに単色で使った方が
持ち味を出せる色、というのもありますので、
それぞれ、より制作の幅を広げてくれる絵具になりますから、
少しずつ揃えながら組み合わせて使うのが
おすすめです。
 
ウェブショップでは
今回ご紹介した3色を含む基本色
(混色する場合はこちらをベースに
混ぜるのがおすすめです)
「まずは揃えたい基本の絵具」

なかなか混色では作りにくい、
でも私たちが結構使う頻度が高いので
単色で持っておくと良い、
「講師おすすめの使いやすい絵具」
 
に分けて絵具をご紹介していますので、
お道具を揃える時の参考になさってみてくださいね。
(文/講師・松山)
 

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