《プチレッスン》第1回/ゴムピックの使い勝手を知ろう
2021年1月5日掲載
これから陶絵付(セラミックペインティング)を
始めようという方に、やはりこの趣味を
おすすめしやすい点の一つとして、
簡単に修整が出来ることがあります。
陶絵付(上絵付)は、描いて失敗しても、
拭けば簡単に取れます。
ツルツルな陶磁器の上だからこそ出来る
独特の手法ですね。
失敗して、もうやり直しが出来ないと思うと
やる気がなくなってしまいがちです。
でも陶絵付なら、いくらでもやり直しが出来ます。
気に入らなかったら、全部拭いてまた一からやり直し、
でもOKです。
(やり直しのしすぎで先に進まなくなる危険性も
ありますが…)
描きたいと思っている絵柄から色がはみ出してしまった
時には、はみ出した部分だけ取ります。
その時、面がうんと広ければペーパーで
拭き取りますし、そこそこの広さなら、
綿棒で取るのがいいでしょう。
しかし、そんなに広くない部分や、絵をきれいに
形どりたい時は『オリジナルゴムピック』を使います。
ではイチゴを描く時を例に取って見てみましょう。
せっかくなのでまずは塗る所から。
(マイセンレッドをペインティングオイルで溶きます。
平筆で大まかに塗ってポンポンでなじませます)
ゴムピックの先端には2つの種類があり、
輪郭を縁取りたい時などは、
標準的には長刀(なぎなた)状の方を使います。
器の表面にピタっと合わせるような角度に置き、
尖った方を絵の輪郭線に沿わせるように動かします。
気をつけるのは、絵具の量が多いと、ピックを引いて
きた時に絵具の「土手」が出来やすいことです。
その際は、絵具を軽く外側に掻き出すようなイメージで
動かすといいです。
その後残った絵具は綿棒などで拭き取るように
しましょう。
また長刀状の先端は、そのまま縦にして引いてくる
ことで、細い抜き線を引くことも出来ます。
もう一方の先端はペン先のような形になっています。
こちらは、このように筆やポンポンで塗った面の上から
主に白抜きの文様を作る時に使います。
ドットや、少し太さのある柄などです。
ここではイチゴの種を入れる所に
白抜きを入れています。
(ポーセリングリーンをペインティングオイルで
溶きます。マイセンレッドとブラシミキシングした色を
丸筆の先に取り、種を描きます。
最後にポーセリングリーンでヘタを描きます)
通常、ゴムピックは絵具が乾いていない状態で
使います。
もし乾くタイプの溶剤を使った場合は、
半乾きぐらいだと程よく絵具がきれいに取れますが、
しっかり乾いてしまうとこのゴムピックでは
取れなくなってしまいます。
その場合は竹串など、先端の尖った硬いもので
削り取ります。
ただ、削った部分が粉になって取れるので、
乾くタイプにはより細くシャープな抜き線が出来る、
という利点もあります。
どちらにも良さはありますが、やはり絵を描いた時に、
その場で簡単に修整出来るゴムピックを使う手法が、
基本的に便利な手法であることに変わりはありません。
陶絵付独自の絵の描き方が楽しめるゴムピック。
ぜひ普段の制作から有効活用してください。
(文・講師/江川)
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