《プチレッスン》第26回／基本色の絵具～使用頻度の高い上絵具・グリーン編～ - 陶絵付道具と白い器のお店　ウツワトエツケwebショップ

《プチレッスン》第26回／基本色の絵具
～使用頻度の高い上絵具・グリーン編～

2022年12月10日掲載

前回のプチレッスン
（第21回／基本色の絵具～使用頻度の高い上絵具・ピンク編～）で
使用頻度の高いピンク系絵具をご紹介しましたが、
今回はグリーン系の絵具をご紹介したいと思います。
どちらも授業の指定色になりやすい、
また個人的によく使う色をまとめてみました。

※葉の部分、単色で描いています

グリーン系の絵具は
植物を描く時にはなくてはならない色ですので、
種類もたくさんあります。
まずは1色だけ選ぶとしたら
おすすめは「クロームグリーン」。
基本色と言えるしっかりした明るめの緑です。
この色をベースにしていろいろな色を
作ることができます。
例えばレモンイエローのような明るい黄色と
組み合わせて若草色のような明るい緑、
ライトブルーや紫系の絵具を混色して
オリーブ系やトーンを落とした影色的な深い緑など。
最小限の絵具の数で混色を作っていきたい方には
おすすめの色です。

ただ、制作しているとなかなか毎回全てを
混色で作るのは難しかったりします。
普段の作品作りで複数の色を混ぜて使うことは
多いのですが、大体メインで使用する
ベースの緑色は、混色で作るということは
私はあまりしません。
複数制作したり、授業で皆さまがなるべく同じ色味に
なるように、ということもありますが、
毎回同じ色味にするのもなかなかに難しいですし、
混色するとだんだん色のクリアさ、
トーンは落ちていきます。
オリーブ系などの落ち着いた色は混色でもできますが、
特に青みのある緑、クリアな色というのは
性質上混色で作ることはできません。
ですので、他にいくつか便利な色を揃えて
作品の表現に幅を持たせていく、という使い方が
良いのかなと思います。

※第一焼成でグリーン、
　第二焼成でオリーブグリーンNo.1を使っています

自然な緑色として、落ち着いたオリーブ系の
色を使うことが多いですが、なかでも頻度が高いのが
「グリーン」「オリーブグリーンNo.1」
「モスグレー」です。

「グリーン」は濃すぎず薄すぎない自然な緑で、
そのまま単色で使っても違和感のない色です。
第一焼成でグリーンを使い、
第二焼成で同系色で少し濃いめの
「オリーブグリーンNo.1」で陰影を足す、
という使い方をよくします。
ブルーベリーの葉はこちらの組み合わせを使った
作品で、とても自然な形で馴染みますので
ベーシックな組み合わせの2色としては
間違いのない使い方です。

※第一焼成でベースをモスグレー、少量アクアブルーNo.1を混色、
　第二焼成でライラックNo.2を重ねています

もうひとつ、自然な表現で使いやすい色が「モスグレー」。
グレーという名前ですが、やわらかく、
スモーキーで少し明るめの緑、といった色です。
とにかく自然なやわらかい表現に使いやすい色なので、
私の使用頻度はかなり高いです。
描く時の地色に使ったり、
他の色と混ぜて使うことも多いです。

※全体をホーリーグリーン、
　影色と筋にオリーブグリーンNo.1を使っています

もう少し明るめの緑色が欲しい際に
おすすめなのが「ホーリーグリーン」。
こちらもよく授業の指定色に使われる色です。
明るいのですが明るすぎず、程よい落ち着きと
濃さがあるので、自然な葉の表現に向いています。

また、比較的クリアで青みのある緑も
混色ではなかなか作れない色ですので重宝します。
代表的な色は「ポーセリングリーン」。
似た系統の色で「マラカイトグリーン」、
より青みの強いエメラルドグリーンの
「ティールグリーン」などがあります。
ポーセリングリーンはその中でも
より深みのある色合いです。
クリアでより青みのある緑を持っていると
表現の幅がより広がります。

※バラの葉に単色で使用しています

さらにダークな葉、例えばツバキの葉のような
少し濃く暗めでつや感のある葉の表現をしたい時に
おすすめなのが「アイビーグリーン」です。
少し青みもあり、より深く濃い、という色です。
こちらも単色で、自然で深い表現ができますし、
影色としても使いやすい緑です。

※線描きと背景の色に使用しています

最後に「ストームグリーン」。
少しスモーキーなブルーグリーンなので
基本色という枠からは外れますが、
個人的に大好きでよく使う色です。
洋のような和のような、やわらかい雰囲気の作品を
作りたい時に他の色とも合わせやすく、
また他の緑色に少し混ぜて落ち着かせたい時など、
さまざまな場面で使っています。

さまざまなグリーン系絵具をご紹介してきました。
ぜひ色選びの参考に、ご自分で描きたいものや
表現方法に合ったお気に入りの色を
見つけていただきたいと思います。
商品ページにはその他にも
「まずは揃えたい基本の絵具」
「緑系の絵具」
で作例と共にご紹介していますので、参考にご覧ください。
（文／講師・松山）

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