《プチレッスン》第4回/春だからピンク色
2021年2月24日掲載
春になればどうしても使いたくなる色、
やはり〈ピンク〉ですよね。
春っぽさを出すのに、
これ以上の色はないでしょう。
しかし、ピンクがきれいなのは分かってはいますが、
いくつか、使う上で気になる所もあります。
まず、
1.何のピンク色を使っていいのか分からない
「○○ピンク」や、見た目ピンクに類する色が多々あり
なかなか選べません。
それと使っていて気になるのは、
2.「描きにくい」
ということですね。
ピンクで描いていて、
なかなかうまく描けず、いやになってしまった、
という経験はないでしょうか?
それは、あなたの腕が悪いのではないのです。
ピンクの絵具が使いにくいのです。
絵具というのは、どうしても、その粉の性質なのか、
描きやすい色、描きにくい色、とあります。
ピンクはその中でも、特に描きにくい部類の
色になります。
中でも鮮やかな発色のピンクになるほど、
粉の時の状態が「ふわふわ」していて、
描いている時の状態は「もったり」していて、
(通じますでしょうか…)
なかなか、キレがなく、
寄せたり・溜めたり、などが、想像以上に
上手くいきません。
それともう一つ、
3.発色が想像しづらい
ということです。
描いている時と焼き上がりの色に、
大きな差があります。
これも失敗した経験をお持ちの方も
いらっしゃると思いますが、
そんなに濃くないと思って描いていたら、
焼き上がってその濃さにびっくり、というような。
これだけ焼成前後での色の差があるのも、
ピンク系ならではです。
これらを理解するためには、
「ピンク系の色見本を作ること」です。
色数を持っている方は…ですね。
使いやすさも、焼成前後の色の差もよく分かります。
あまり色数をお持ちでない方は、今日のお話を見て、
どのピンクを使うか決めましょう。
そして、せっかくだから楽しく色見本を作りましょう。
どうせなら花びらの形にしてみましょうか。
イメージしやすくていいですよね。
ここでは丸皿をディバイダーで12分割して、
下書き用のボールペン(BOXY油性ボールペン)で
大まかに花びらの形を書いています。
先に絵具の色名を書いておきましょう。
お好みの絵具を、乾く溶剤
(水溶性メディウム速乾性+
水、速乾性ペンワークオイルなど)で溶いて
スクールペン先などのお好みのペン先で書きます。
乾く溶剤で書いた方が、作業中触って消してしまう
というリスクが避けられるのでいいと思います。
ピンクの絵具はペインティングオイルで
マヨネーズ程度に溶き、
中程度の大きさの平筆(No.500 別製リス毛平筆など)
にしっかり色を取って、
花びら先端から根元側に向かって
細かくずらしながら塗っていきます。
根元近くが少し薄くなるように
筆圧をよりソフトにしていきます。
パディングスポンジ(ポンポン)で
『薄い側から』軽〜くたたいて、
筆跡を整えていきます。
強くたたくと絵具が一気に取れてしまうので、
やさしく細かくたたいていきましょう。
色見本ですので、濃い所と薄い所の差がほしいのです。
ポンポンは、ペーパーで軽く拭けば引き続き使えます。
ほどほどにグラデーション気味になりましたら、
絵具が多分下絵より広がっていますので、
ゴムピックのペン先型の方を使い花びらのライン取り、
その外側に残った絵具を綿棒等で取ります。
色を変える時は、平筆をペーパーではさむようにして
大まかに色を抜き、ペインティングオイルの中で
あらかた色を出して、次の色を取ります。
これを〈オイル洗い〉と言います。
筆洗油で筆を洗うと、筆の毛の程よい粘りが
なくなりがちなので、同系統の色なら、
この洗い方で次の色を取る方が合理的です。
さて、そのようにしまして、出来上がったのが
こちらのピンク系12色です。
一見して、やはり焼成後の彩度が上がっているのが
お分かりいただけると思います。
各色を少しアップで見てみましょう。
正確には「マルベリー」になると、やや赤紫が強く、
いわゆるピンク系とは呼ばないかもしれません。
また、バーントオーカーNo.1も、
ピンクからだいぶ茶色に近づいていく
途中の色になりますが、
それぞれ比較の意味合いもあり一緒に並べてみました。
今回取り上げた、いま販売中のピンクの種類は、
大まかに分けると、
1.明るく鮮やかなピンク
2.黄味がかった肌色に近いピンク
3.その中間の、やわらかく赤みががったピンク
という分け方が出来そうです。
この分類で12色を分けてみますと、
1.パープルピンク・パープルNo.1・
ウォームピンク・パーマネントローズ
2.コーラルピンク・アプリコットピンク・
ポンパドールピンク・ピンクアイボリーNo.1
(バーントオーカーNo.1)
3.オールドローズ・フレンチローズ
(マルベリー)
になると思います。
1はいかにもピンク、という華やかな色ですが、
パーマネントローズは、少し3に近づいてきます。
その分、他の3色に比べ、だいぶ描きやすいです。
これは本当に描き比べると分かります。
なので個人的には
「描きやすくてなおかつ明るいピンク」
と言われたらパーマネントローズを推薦します。
しかし3色は「ピンクにしたい!」という時には
やはり使いたい色です。
またウォームピンクはその濃さから、
他色とブレンドして使える、という意味でも、
ピンクの基本色として用いられることが多いですね。
また、この中でも特に誤解を受けがちなのが
パープルNo.1です。
名前がパープルなので、すごく紫に思われがちですが、
きれいなピンクです。
2は黄色味の配合で変わってくる感じで、
コーラルピンクは3に近い赤みがあります。
黄色っぽすぎず「かわいいピンク」を使いたい、
という時にいい色だと思います。
他は花にも使いますが、肌色に近い色になるので、
使う方の好みや用途に大きくよると思います。
微妙な中間色なので「偏愛」されるのも
この色味が多く、当社の松山講師は
バーントオーカーNo.1を偏愛しています。
3は、上品な、落ち着いたピンクを表現したい時に
使いやすい色の仲間だと思います。
例えばピンクのバラを描きたい時にも、
そういった雰囲気を主に出したい時には、
この仲間がベースの色になるでしょう。
第2焼成以降で濃くしたい時には、
赤紫が強い〈マロン系〉の色をプラスして使います。
いかがでしょうか?
余裕があれば、このカテゴリーで
1色ずつぐらい持っておけば、
様々な場面で対応できていいと思います。
やはり1色だけ用意したい、という場合は、
黄色や白を混色すればバリエーションを作れる
ウォームピンクでしょうか。
私自身が用意するなら、
使いやすさと使用用途の範囲を考えると、
パーマネントローズとコーラルピンク
の2色を用意すれば、
あとは混色でカバーしようかな…という感じです。
皆さんはいかがでしょうか。
(文・講師/江川)
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