《プチレッスン》第29回/白色上絵具の違いについて
2023年3月14日掲載
ウツワトエツケで販売している
絵付用絵具(陶磁器用)の
『ミキシングホワイト』と『ホワイト』について、
「ほぼ同じだと思った」
「どう区別して使えば良いのかわからない」
といったご質問を受けることが多くあります。
今回はこの白色上絵具の違いを
ご説明したいと思います。
●ミキシングホワイト【陶磁器用粉末上絵具】
・他の色と混ぜる時に使う、主に混色用の白色
・単体で使うと透明感のある白色
・混色で混ぜる対象の色を主とした薄い色、
パステル色を作る
・混色用のため、つや出し成分がやや多く含まれる
●ホワイト【陶磁器用粉末上絵具】
・主に単色で白を出したい、表現したいときに
・単体で使うと不透明でハッキリとした強い白色
(修正液やペンキの白の様なハッキリした白色)
ミキシングホワイトには透明感があり、
下の白磁がやや透ける感じです。
ホワイトは不透明で、
白色の主張がしっかりしています。
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〈それぞれの絵具で描いたものの比較〉
●ミキシングホワイト
↑桜の花びら
↑クリーム色の部分
・混色
混ぜる対象の色が主とした薄い色、
色そのものが薄まったような透明感ある仕上がり
(配合の割合にもよる)
↑桜の花芯
↑白い花びら
・単色
白磁または下に塗ってある色が透けてみえる、
透明感あるやわらかい白色
●ホワイト
↑薄いグリーンの葉
・混色
白色が主張している(白さが残る)パステル色
ミキシングホワイトが
混ぜる対象の色が主とした薄い色
(混ぜる対象の色そのものが薄くなったような表現)
になるのに対して、
ホワイトは、混色は可能ですが
白い色がはっきりしているため、
混色しても白色が主張します。
↑ツボミの先
↑鳥の目のまわり、目のハイライト、クチバシの端
↑水滴の光
・単色
不透明なしっかりした白色
ホワイトの単色使いは白色がしっかり出るため、
白くしたい部分、
例えばハイライトをしっかりさせたいときや
入れ忘れたときに部分的に足すことで、
白色を作ることができます。
【効果的な使い方をするために】
白色絵具は絵具のシリーズや
メーカー・販売元別に出ています。
上絵具用粉末絵具で成分や焼成適応温度が
ほぼ同じような種類の絵具でしたら、だいたいは、
違うシリーズやメーカー・販売元の絵具と
一緒でも使用可能ですが、
やはりシリーズやメーカー・販売元を揃えた方が、
当然馴染みや発色も良く、
より効果が高まりやすいと言えます。
白色上絵具の「ミキシングホワイト」と
「ホワイト」ですが、それぞれの特性を活かして
使用することで、より表現を深めることが可能です。
それぞれの特性を意識しながら使ってみてください。
(文/講師・石澤)
※ガラス絵具の詳しい使用方法や焼成方法はこちら
・第24回/白色ガラス絵具の使い分け
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