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《プチレッスン》第7回/改めまして、基本の道具とは。

2021年4月14日掲載



春という、スタートにちょうどいい季節になったので、
これからいよいよ絵付けを始めてみようかな、
という方々も、中にはいらっしゃるのではないかと
思います。
 
さて、じゃあ絵付けを始めたいと思ったときは、
最低限、どんな道具があればいいのでしょう。
 
長く絵付けをやっている方であれば、
基本的な道具というのは当たり前すぎるものです。
 
ただ、これから始めてみようとする方には
どこから手をつけていいのか分からないのは、
絵付けに限らずですが、
どんな趣味の分野でも同じことでしょう。
 
たいていは、どこかのお教室に入ったり、
個人の先生に教わったりなどすると、
何も考えるまでもなく、
これが基本道具、というセットがあり、
言われたとおりひと揃え用意する、
というのが通常なのかな、思います。
 
しかし中には、
例えば陶芸をすでにされている方が、
上絵付けもちょっとやってみようかな、とか、
普段は転写紙を貼る作業だけされている方が、
ちょっとだけ描く作業もやってみたいな、とか、
近い趣味の方が、手描きの絵付けも取り入れよう、
という場面はあるのではないかと思います。
 
焼く環境(800℃程度で焼ける電気の窯)
はいずれにしても必要なのですが、
それは今回ちょっと置いておくとしまして、
 
まず絵付けをするのに最低限これは必要、
という『超基本道具』と、
さらにこれくらいあれば大体のものが描ける、
という2段階目にあるといいもの。
そのあたりまでを確認していきたいと思います。
 
特に、まだ絵付けに不慣れな方に
お読みいただける内容かと思いますが、
そうでない方には、
初めて絵付けをする人の気分になって、
再確認の意味でお読みいただければ幸いです。
 
 
まず、ここでは上絵付の話になりますが、
(出来上がっている白磁の上に描く絵付け)
基本的に絵具は粉の状態なので、
なんらかの溶剤を使って、
自分で練ることになります。
 
絵具は何かお好きな色を用意するとして、
〈まずは揃えたい基本の絵具〉をご覧ください)
まずはそれを練るための道具が必要です。
〈パレットタイル15cm〉
〈NEWミニパレットナイフ〉
タイルに粉を出して、溶剤を適量そこに加え、
ナイフでよく練って、マヨネーズ状の、
つやがあって、でも山が崩れないくらいの
状態にしていきます。
 
その時の溶剤、まず一つだけ用意するなら、
〈水溶性メディウム速乾性〉
がいいかと思います。
何がいいかというと、乾く所です。
乾けば、描いた絵が崩れることがありませんし、
作業中、触っても平気です。
それと、筆を洗うのは水だけでいいので、
筆洗い用の液体を用意しなくてもいいのです。
さらに、乾くことで修整がしやすくなる、
という利点もあります。
 
あとは描くための筆が必要です。
一つだけ用意するなら面相筆がいいでしょう。
〈面相筆(黒狸)小〉
(または〈細書面相筆(特イタチ)〉
水分量を加減して、線描きも面塗りも出来るので
それだけでも十分色々な絵が描けます。
どちらでもいいです。
より線描きを重視するなら特イタチの方でしょうか。
 




このくらいで最低限絵付けが出来ます。
とてもシンプルではあります。

ただ併せまして、
今の塗る場面などもそうなのですが、
絵具というのは厚すぎると剥離する場合があり、
また逆に少ないとツヤが出ず、
定着の良くないこともあるので、
絵具の量も重要な所です。
この辺りは実際の対面レッスンで
お伝え出来るのが一番なので、
私たちも早くそういう機会が
設けられるようにと思っておりますが、
ご自身で絵付けをされる方は、
その辺り、実験も含め、その時々の
調整は必要になるかと思います。


そして、もう少し色々な種類の絵が描きたい、
となると、

たとえばまずは下書きが出来る
〈スタビロ鉛筆〉
お皿に直接書く、あるいは下絵の裏に塗って、
カーボン代わりに使う、ということも出来ます。
焼成により焼き飛びます。
 
そして、溶剤がもう一つあるとなおいいです。
その時は
〈ペインティングオイル〉
これは乾きが遅いオイルなので、利点は、
描いたあとスポンジでたたいて
筆跡のない面を作ったり、
平筆で塗ることで、絵具を寄せたり溜めたり、
絵画的な表現が出来ることです。
乾いてしまうと寄せたり溜めたり
などの作業は難しいので、
ここは乾きが遅いオイルが必須です。
 
 

そうすると、オイルで使う筆が必要です。
水用と油用の筆は分けた方がいいですね。
 
広めの面を塗る
「平筆」〈No.500 別製リス毛平筆〉
と小さい面を塗る
「丸筆」〈ラファエル8404丸筆0号〉
それぞれ標準になるサイズを最低1本ずつ。
 
そして、その筆を洗う
〈無臭ブラシクリーナー 100ml〉
油で汚れた面のお掃除などに使う
〈クリーニングアルコール50ml〉
描いた絵を修整出来る
〈オリジナルゴムピック〉
など。
あとはスポンジで絵具をたたくことで、
筆で描く以外の表現が広がるので、
〈ラップテープ〉
を用意して、
中に入れるワタを100均や手芸屋さんで仕入れて、
自作のポンポンを作ればいいです。
 
なおこのポンポンを使うという場合は、
もれなくマスキング作業がついてくることが多いです。
マスキングテープ
〈3Mマスキングテープ 24mm 1個入〉
だけでも、直線的なマスク作業や、
貼った後カッター等で切り抜いて、
ステンシルのように形を作ることが出来ますが、
液状のマスキング剤があると、筆塗りで、
色々な形が作りやすく、さらに便利です。
〈水溶性マスキングリキッド 25ml〉

 


便利な道具は他にも様々ありますが、
これらがあれば、だいたいの絵がもう
描けてしまいます。
キッチンペーパーや綿棒、竹串などは、
ご自身でご用意ください。
 
ここから、描きたい絵柄や求めている技法によって、
必要な絵具や、さらに便利な道具を、
プラスしていくことになります。
 
すでにある程度の絵付けをされている方にとっては、
これら、当たり前すぎることかもしれませんが、
意外とこの時期、自分の道具を、
シンプルな視点で見つめ直すチャンスかと思うのです。
 
特に、溶剤に関しては、
普段、水系か油系か、
どちらかしか使っていない方を
わりと多くお見受けします。
もちろんどちらかだけでも全然絵は描けますが、
両方使えた方が、圧倒的に描ける絵の幅が広がります。
片方だけの方は、ぜひこの機会に、
もう片方の溶剤にも
チャレンジしてみていただけると、
より絵付けが楽しめるようになっていいかなと
思います。
(文・講師/江川)
 

★絵付を始める時、まずは用意したい道具をまとめたページ★
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