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《プチレッスン》第34回/応用編・ガラスビーズを上手に焼こう
〜マグなどの切り立った面にするビーズ装飾〜

2023年8月13日掲載
 



陶絵付の装飾として焼き付けて使用することが多い
ガラスビーズ。
第14回「ガラスビーズを上手に焼こう」
では基本的なガラスビーズの装飾方法を、
第19回「続・ガラスビーズを上手に焼こう」
では応用編として、砂粒のような
細かいガラスビーズの装飾方法をご紹介しました。
 
今回は応用編の第2弾として、
カップや花瓶などの側面に
ビーズを装飾する方法をご紹介したいと思います。
 
※ガラスビーズなどを使った作品は
 展示、装飾用となります。食器としてのご使用は
 おすすめできませんのでご注意ください。
 
よくご相談いただく機会も多い、
マグ側面などの切り立った面への
ガラスビーズの装飾方法ですが、
予想外にガラスビーズが垂れたり取れてしまったりと、
お皿などの平面に装飾する場合よりも
ハードルが高い印象があります。
使う材料とポイントをよく押さえることによって
おおよその失敗を防ぐことができますので、
ぜひこの機会に挑戦してみてください。


 

ガラスビーズは思いのほか重量があるので、
しっかり固定されていないと転がったり
焼成時に垂れてしまったりすることがあります。
硬い器にビーズをしっかりと付ける時は
固定し接着する役割のあるものが必要です。

※現在『グラスパール5mm』以外はお取り扱いしておりません

透明な土台にしたい時は
『つや出しフラッキス』を使用します(画像左)。
ただし、大きめのビーズを付けたりする時は
粒子が粗めのレリーフパウダーの方が
ホールド力が高いので、
『ゴールドレリーフパウダー(イエローゴールド)』
『ゴールドレリーフパウダー(レッドゴールド)』
『シルバーレリーフパウダー』

『パールレリーフパウダー』
『ルミナスレリーフパウダー』
を使用します(画像右)。
こちらは土台の色が金や銀色、パール色になります。

粉状のつや出しフラッキスやレリーフパウダーは
練ってペースト状にして使用しますが、
その際の溶剤は
素早くしっかりとビーズを定着させる
速乾性のものを選びます。
 
『水溶性メディウム速乾性』も使用できますが、
今回は花瓶などの側面に装飾するので
乾いてもよりしっかりとしたホールド力のある
『レリーフオイル』
『スーパーMXオイル』がおすすめです。
 
レリーフオイルやスーパーMXオイルは、
硬くなったら『テレピン』で希釈して使用します。
臭気がありますので、部屋の空気を入れ替えるなど
換気をよくしましょう。
  


 

レリーフオイルで、フラッキスやレリーフパウダーを
硬めのハチミツ位のペースト状に練り、
スタイラスなどを使って
ビーズを乗せたい部分に多めに厚めに塗ります。

ビーズを乗せた後、指先などでビーズを押して
土台にしっかりと固定させます。

固定後は、ビーズ直径よりも大きくなり、
しっかりと接着の土台になっている感じです。
ビーズの形が大きいもの、
高さのあるものを付ける場合は、
その分だけ土台を大きく厚めにしましょう。
 
厚みが薄すぎたり、
溶剤を入れすぎて柔らかくなったり、
作業時間が長くなって溶剤が固まったりなどして
ホールド力が弱くなると、焼く前の乾燥時にも
小さな衝撃でビーズが取れてしまうことがあるので
気を付けましょう。
大きな面などに広範囲に装飾する時は、
いくつかにパーツ分けをして
作業していくとよいでしょう。

 
乾燥後、焼成します。
焼成温度はだいたい800〜820℃です。
この温度は、
ビーズを陶磁器に付ける土台や糊の役割をする
フラッキスやレリーフパウダーなどの
焼成適応温度(800〜830℃)と
ほぼ同じになるようにします。
 
ガラス製のビーズを一緒に焼成しますので
ガラスビーズの焼成後の溶け方などで温度を決めますが
その中でも上絵付の高い温度帯(820〜830℃)で
焼成すると、ガラスビーズが溶けすぎて
平たくなったり垂れたり
焦げたように変色することがあります。

↑《820℃/キープあり》で焼成

面白い現象なので、
狙って作品づくりに取り入れることもありますが、
ビーズをどのような溶け具合にするのか
予想して焼成温度を設定します。
 
○白磁の焼成温度
○土台や糊の役割となる
 レリーフパウダーやフラッキスなどの焼成温度
○ガラスビーズの焼成温度
以上の3つの温度が
上手く適合するように設定しましょう。


 

★焼成方法による仕上がりの比較

※ビーズの大きさや土台の量などの状況により多少異なります

《820℃/キープあり》で焼成
ほとんどのビーズが溶け、強い変形・変色が見られる

フラッキス
レリーフパウダー
 

《800℃/キープあり》で焼成
大きめのビーズが溶け、変形・変色がある(キープなしよりビーズが溶けている)

フラッキス
レリーフパウダー


《800℃/キープなし》で焼成
大きめのビーズが溶け、軽い変形・変色がある

フラッキス
レリーフパウダー


《760℃/キープなし》で焼成
大きめのビーズが軽く溶け、変形・変色はあまりない

フラッキス
レリーフパウダー

※760℃は、土台になるレリーフパウダーや
 フラッキスの適応温度以下になるので
 ビーズの定着が弱く取れやすくなることがあります。
 (レリーフパウダー画像の右下ビーズ参照)

土台がフラッキスの場合は760℃、
レリーフパウダーの場合は800〜820℃がおすすめです。
複数回焼くとその度に熱が加わり
ビーズがさらに溶けたり変色する原因となりますので
形を保ちたい方は、焼成は1回のみにしましょう。

また、お窯から作品を出す場合も、
急冷するとクラックが入り
剥離や割れ、欠けなどの原因になりますので、
必ず室温までお窯内の温度を下げてから
取り出すようにしてください。


●注意●
お取り扱い中のビーズも生産ロットなどで
以前のものよりも溶けやすくなっている
個体があります。
またビーズの種類、ロットや個体によって
溶け方が違います。
ビーズの特性を生かしたいときは、
1回焼成をおすすめいたします。
(大事な作品に付ける場合は、
事前に焼成テストを行ってビーズの溶け具合を
確認することをおすすめいたします)

 

【ガラスの器に接着する場合】
土台の色が透明な『グラス フラッキス』
土台の色が金や銀色、パール色の
『ガラス用 ゴールドレリーフパウダー』
『ガラス用 シルバーレリーフパウダー』
『ガラス用 パールレリーフパウダー』

で同様にしてガラスビーズを接着し、
乾燥させて焼成します。
(推奨温度600℃キープなし)
ビーズもガラスなので、ガラス用の温度で焼成すると
溶けずに形がそのままになります。
※粒の大きさや種類によって変わる場合があります。

↑《600℃/キープなし》で焼成
 
実験を含めて作品制作の焼成回数を多く積むと
ガラスビーズの特性やコツが分かり
失敗しにくくなると思います。
たくさん挑戦してステキな作品を作ってみてください。
(文/講師・石澤)


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