ウツワトエツケ通信別冊|《不定期配信・気まぐれ講師ルーム便り10/31号》
オイル?メディウム?溶剤?絵具を「練るもの」の基礎の話

いつもウツワトエツケ通信をお読みいただき
誠にありがとうございます。

定期便のメールマガジンとは別に、
月に2回ほど気まぐれにお送りしている
ウツワトエツケ通信別冊号
〈気まぐれ講師ルーム便り〉。
今回は江川が担当いたします。
先週松山講師からお届けしたばかりですが、
あくまで気まぐれなメルマガですのでご容赦ください。

今日は絵具を練るものについてのお話を少ししようと思います。
色々な「練るもの」があります。
お教室が違うとここがまただいぶ違う所です。
その時何を使ったらいいのか、
皆さまも悩まれる場面が多いと思います。

とりあえずそもそもの知識について
基礎の基礎、のようなお話をしようと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

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まず先にお知らせです。
10月からのレギュラー講座に入ろうかどうしようか、
迷っているうちに今日を迎えてしまった皆さま。

今日が本当のラストチャンスです。

10月〜12月のコースに入れるのは今日、
10/31までなのです。
もしも迷っていらっしゃる方は、
直接ネットからお申し込みがご不安でしたら、
まずはお電話でも大丈夫ですので、ご相談ください。

◎全てのレギュラー講座はこちらから
https://utsuwatoetsuke.com/lesson/regular_all.html

※ちなみに次の1月からの講座は、
11月中旬くらいから生徒様の募集を始める予定です。
併せてご検討くださいませ。

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さて、「練るもの」のお話になります。

おもに上絵付についてになりますが、
絵付けの絵具というのは、基本的に粉末の状態になっていますね。

練る手間というのがあるので、
「チューブだったら便利でいいのに」
とも思うこともあるかもしれませんが、
ただ、粉は粉で、その時々、
描きたい絵柄や技法によって、
練るものを使い分けできる良さがあります。

「水で溶くだけじゃダメなの?」
とも思うかもしれません。
でも、実際にやってみると分かりますが、
水だけで溶いたのでは、もう、瞬時に乾いてしまい、
とても絵を描くどころではありません。

特にツルツルの器の上に描くということを考えると、
〈粘り〉というか〈とろみ〉のようなものを加えないと、
どうにも描きづらいものです。

少し話が違いますが、
中華の炒め物などをつくると、
よく片栗粉を水で溶いたものを
仕上げ近くで加えたりしますよね。

あれは、いい味のついた炒め物のスープなどが、
汁っぽいままだと、おいしさが味わいつくせないので、
お料理のおいしさを全部いただきたいと思うと、
粘性をつけて具材にまとわりつかせてあげた方が
お出汁まで全部取りこぼさずまとめられることで、
おいしくいただけるからですね。

話が少し(だいぶ)ずれましたが、
やはり絵具も水っぽいだけではまとまらず、
粘性を持たせてあげてはじめて、器にまとわりつきます。

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粘りやとろみがつけばいいので、
正直なところ、例えば身近にあるような
サラダ油やオリーブオイル、ごま油、
そんなものでも絵具を練って、描くこともできます。
ガムシロップや糊などでも
練れないことはないです。

しかし実際やってみると、
やはり筆に取って描きやすい粘りや伸びは、
なかなか備わっていないものです。
今まで色々試して、描きやすいものを探していった結果が、
いま販売されているような
「オイル」や「メディウム」というわけです。

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「メディウム」というと、ご存じの方は
『水溶性メディウム』のことを指すように思われますが、
メディウムという名前は、
基本的には溶剤類一般を指すので、
オイルを含めて、本当は全部「メディウム」です。

でもそうするとまぎらわしいので、
ここではとりあえず「練るもの」を「溶剤」と呼ぶことにします。

溶剤では2つ大きな分かれ目があります。

●水か油か

ということと、

●乾くか乾かないか

ということです。

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☆水か油か☆

根本的な話のようになりますが、
やはり「水と油」と言うように、
水系の溶剤と油系の溶剤は、混ぜられません。
混ぜると、「もろもろ」して、
まずうまく描けない状態になります。

『水溶性〇〇』という名前のつくものと
『〇〇オイル』という名前のつくものは、
直接混ぜては使えません。

たまに描いている時に間違えて、
『水溶性〇〇』で練った絵具に『〇〇オイル』が
混ざってしまったりすることもあります。
この場合、逆もそうですが、
全く伸びないので、何が起きたのか、
不思議に思われた経験のある方も
いらっしゃるかもしれません。

例えば、『〇〇オイル』で練って絵を描いている筆に、
うっかり水をつけてしまったりすると、
当然同じようなことで、「もろもろ」して、
全くうまく絵が描けません。

しまった、間違えた、
と気づかれた場合はいいのですが、
気づかないと(あるいはその知識がないと)、
うまく描けず、疑問を持ったまま、
無理やり仕上げてしまう、
ということになりかねません。

そもそもが『水溶性〇〇』は「水」、
『〇〇オイル』は「油」、ということで、
それらは混ぜないようにしましょう。

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☆乾くか乾かないか☆

溶剤を選ぶ分かれ目で、
水か油かの選択の前に大事なのが、
「乾くか乾かないか」という問題です。
(体質的に油を受け付けない方のケースもありますので、
その場合は水系の溶剤一択になりますが)

溶剤も1つですめば楽ではありますが、
乾くこと、乾かないこと、それぞれメリットがあるので、
両方使えると色々な場面で便利なのです。

◆乾くと便利なこと◆
◎重ね描きできる・焼成回数が減らせる
◎手で触れる・きれいに描けた箇所が損なわれない
◎ほこりが入らない・ほこりが落ちても定着しない
◎盛り上げ作業ができる
(乾くことで盛り上げた高さを保てるので)

◆乾かないと便利なこと◆
◎広い面を均一に整えやすい・パディングなどに向いている
◎濃淡をつけやすい・「ぼかし」や「ため」といった表現がしやすい
◎時間が経ってからでも描いた場所を触って整えられる

などです。
やはり、乾く・乾かない、
両方を使いこなせることで、絵付表現の幅が広がるので、
可能であれば、両方最低一つずつでも、
普段から使っていると便利です。

乾くものと乾かないもの、色々種類はあるのですが、
全部ご紹介しても長くなってしまいますので、
最低一つずつ代表的な溶剤を用意しておくとしたら、
乾く方は『水溶性メディウム速乾性』
乾かない方は『ペインティングオイル』
(正確に言うと乾きが遅い=しばらく乾かない)、
差し当たってこの2つがあれば、
ほとんどの絵を描くのに有効です。
色々便利な溶剤も他にありますが、
まずはあまり手を広げるより、
この2つをしっかり使いこなせるようにするのが、
いいと思います。

◎水溶性メディウム速乾性
こちら→ https://utsuwatoetsuke.shop/?pid=154738435

◎ペインティングオイル
こちら→ https://utsuwatoetsuke.shop/?pid=154298108

個人的にはここに、
ペン描き用の乾く溶剤『速乾性ペンワークオイル』
をプラスすれば、さらに制作の幅が広がると思います。
サラサラに溶くと、ペンで細い線が非常に描きやすく、
とてもおすすめです。
実はしばらくお品切れだったのですが、
ついに再入荷して本日から販売再開になりました。
(※お昼くらいからの販売開始になります)

◎速乾性ペンワークオイル
こちら→ https://utsuwatoetsuke.shop/?pid=154738427

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いかがでしたでしょうか。
他の溶剤の話もし出すと本当にキリがないので、
今日はこの辺りまでにしておこうと思います。

まずは溶剤の基本的なポイントを押さえておきましょう。

●水か油か
●乾くか乾かないか

また、今日取り上げられなかった溶剤にも、
それぞれ得意な作業があります。
描きたい絵柄や技法に、何の溶剤を使ったらいいか、
その時々、教わっている先生に聞いたり、
(もちろんちょっとした疑問がありましたら、
ウツワトエツケのHP「お問い合わせ」から、
どうぞお気軽にご質問ください)
またご自身で考えて使えるようになると、
制作もきっとより面白いものになるはずです。
ぜひ絵付けされる皆さまには、
色々な溶剤を使いこなせるように
なっていただきたいと思います。

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ありがとうございました。
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