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《プチレッスン》第40回/盛絵具を使って割れた器を継ぐ

2024年10月6日掲載
 


 
お気に入りの器が割れてしまって
修理したいと思ったことはありませんか。
 
器の修理として思いつくのは
”金継ぎ”ではないでしょうか。
金継ぎとは割れた陶磁器を漆を使って
修復する伝統技法で、漆で接着した後に
金粉で仕上げます。
エポキシ系の接着剤やパテを使って接着して
漆と金粉で仕上げる簡易的な方法もありますが
漆は人によってはかぶれてしまいます。
私も以前、漆かぶれで酷い目に遭ってから
漆が怖くて触れません。
今回は漆はハードルが高いけど接着剤も
使いたくないという方に向けて、
漆や接着剤を使わずに
盛絵具を使って器を継ぐ方法について
ご説明いたします。
 
器の修正方法の一つとして
お役立ていただければと思います。
 
使う道具は
『色盛り絵具 低鉛』
『水溶性メディウム速乾性 20ml』
になります。
 

それでは作業をしていきましょう。
割れた器を用意します。
割れた面が汚れている場合は
『クリーニングアルコール』などで
きれいに拭いてください。
怪我には十分ご注意ください。


『色盛り絵具 低鉛』
『水溶性メディウム速乾性』で練ります。
練る固さは『ミニパレットナイフ』でかき集めて
山が少し動く程度です。
緩すぎると絵具が乾きませんのでご注意ください。


水溶性メディウムは水を加えることで
乾燥が早くなりますので、
『ドロッパーボトル』などを使い
お水を少量加えてさらに練ります。
あまりサラサラになりすぎないようにしましょう。


盛絵具の用意ができたら
パレットナイフや筆を使い
割れた器の断面に塗っていきます。
空気が入るとしっかりと定着しないので
気持ち厚めに塗っていただいたほうが良いです。


すべての断面に盛絵具を塗り終えたら
くっつけます。


ずれないように注意して押さえつけます。
盛絵具がはみ出すと思いますが
後でお掃除をするので問題ありません。


はみ出した盛絵具を
『オリジナルゴムピック』などでお掃除します。
焼成をするまでは接着面は簡単に取れてしまいますので
注意が必要です。
完全に乾かしてからカッターナイフなどを使い
お掃除していただいても構いません。

しっかりと乾燥させた後800℃程度で焼成します。
盛絵具が隙間なく塗れていれば
焼成後は叩いても取れないくらいに定着します。


 
お好みで、器の継ぎ目を
金液やゴールドレリーフパウダーで目隠しすると
まるで金継ぎを施したようになります。
その場合は再度焼成していただく形になります。
 
今回の器のようにきれいに割れた器でしたら
意外と簡単に修復が可能です。
しかし、ポットやカップなどの立ち物や
複雑に割れてしまった器の修復は
それなりの技術が必要です。
盛絵具の付きが甘いと
焼成中に剥がれてしまうこともありますので、
窯の一番下に置いて焼成するなど
万が一のトラブルに備えて焼成してください。

(文/講師・柳田)

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