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《プチレッスン》第13回/つや消しにしたいときは

2021年9月13日掲載
 


 
〈※この記事は作成時販売されていた商品に関しての
記述となっております。
現在販売されていない商品(『マット』)も含まれますが、
制作の参考例としてお読みください〉


白磁に絵付けをするということは、
白いキャンバスに絵を描くことと同じように、
どのようにでも変化させることが出来るのが
面白いところではあります。
 
ただ、上絵付けをしていると、
まずよくある悩みとして伺うのが、
「絵具で描いた部分がカサカサしている」
「絵具のつやが出ていない」
などです。
 
これについては、
以前にこちらのプチレッスンのコーナーでも、
第11回『薄くしたいけどつやも出したい』
という回で、つやが出ない原因や、
つやを出すための方策についてお話し致しましたので、
そちらをご参考にしていただければと思いますが、
 
しかしその一方で、
 
逆にあえて絵具のつやを出したくない、
と思うケースもそれなりにあります。
 
つやを出したくないという時というのは、主には、
やはり白磁面というのが基本的に
つやつやピカピカですから、
その白磁面の光沢を抑えたい、
という状況が一番多いパターンかと思われます。
 
例えば描く絵柄が、
しっとり落ち着いた雰囲気の和の柄だったとしたら、
どちらかというと、
「バックになる面をあまり光らせたくない」
「マットな光沢の面にしたい」
となりがちです。
 
もちろん和柄にも色々種類がありますから、
全てではないですし、
逆に洋のデザインでも、つやつやの器にしたくない、
という時もあります。
その方の好きずきというのもあるでしょう。
 
いずれにしても、
マットにしたい、という欲求は少なからずあり、
そして、白磁という素材は、
それ自体はつやつやでも、
上絵付けによりマットな面にすることも出来る、
ということでもあるのです。
 
また、絵具のつや感をより引き立たせる
などの効果もあるため、
マット、つや消しの面を作るということには
ある一定の利点もあります。
 
………………………………………
 
そのつや消しにしたい時、
使うものというのが主に2種類あり、
実はちょっとまぎらわしいものでして、
 
○『マット』というもの と、

○『マット絵具』というシリーズ絵具
 
の2種類があるのです。




 


*「マット絵具シリーズ」には
 マットホワイトを含め現在5色あります。

 
マットとマット絵具は、同じように、
つや消しの絵具面が出来る素材ではありますが、
それではこの2つの何が違うのか、と言うと、
簡単に分けますと、
 
●『マット』は単独では使わず、絵具に混ぜて使うもの で、
●『マット絵具シリーズ』は単独でも使えるもの
 
という所が一番分かりやすいかと思います。
 
『マット』はそれ自体では定着力がなく、
単体で塗って焼いても器に定着しません。
絵具に対して10%程度混ぜて使うのが
スタンダードです。
そして仕上がりは、それなりのざらっとした、
名前の通り、マット感があります。
 
それに対して「マット絵具」は、
単体で塗って焼きつけられるものです。
そして仕上がりは、マットではありますが、
ただざらつき感は薄く、しっとりしたマット感、
のようなものです。
実際の仕上がりを触っていただけると、
ざらざらしていない、ビスクのような風合い、
という印象を持たれると思います。
 
どちらがどうというのはないですが、
まとめれば、
よりざらっとしたマット感を求める場合は「マット」
しっとりしたマット感を求める場合は「マット絵具」
でしょうか。
 
マット絵具シリーズで、
需要が高く人気もあるのは
まず『マットブラック』かと思います。
 
特に和のデザインのバック面に、
盛り上がりとつや感のある絵具、
『和絵具』や、『ジュエル絵具』
のような種類ですとなおのこと、
それとは対照的なつや消しの黒が、
お互いを効果的に引き立ててくれます。
 


あとはイギリスの陶器、ウェッジウッドの
ブルーのビスクのような風合いが出せる、
『マットパステルブルー』
お好きな方が多い絵具です。
『色盛り絵具 低鉛』を単体で使った
白い盛りと合わせるととても効果があります。
 



また、「マット」とは逆に、
そこに少し絵具を混ぜて使うこともあります。
主には『マットホワイト』ですが、
例えばほんの少しだけ黄色の絵具を混ぜると、
ごくやわらかいカスタードのような色になります。
何も混ぜずに白のまま使って、
ピカピカだった白磁面を
落ち着いたマットの白面にする、
という需要もあるでしょう。
 
練る溶剤は何でも構いません。
ただ、広い面を塗って均一に整える、
となると、ほどよく伸びがあって
乾きが遅い、修整がきく、
というタイプが必要になるかと思いますので、
『ペインティングオイル』
を使うのが無難でしょう。
 
「色盛り絵具」であれば
粘性が高く乾きの早い『レリーフオイル』
またジュエル絵具や和絵具などは、
『水溶性メディウム速乾性』と水で調整するのが
ほどよい高さに盛りやすくおすすめです。

………………………………………

つやを出すこと、マットにすること、
どちらも白磁面の上だからできる、
上絵付け独自の手法です。
そして両方合わせることで、より効果的にもなります。
 
シンプルに絵を描くことと併せて、
面の光沢が与える効果も考えていけると、
より奥行きのある作品デザインが楽しめます。
(文/講師・江川)

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