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《プチレッスン》第27回/上絵具・イングレーズ絵具・下絵具、
それぞれの違いについて

2023年1月12日掲載
 


 
絵付けの絵具にはいろいろな種類のものがありますが大きく分けると
『上絵具』『下絵具』『イングレーズ絵具』の3種類になります。
 
3種類の絵具は何が違うのでしょう。
 
絵具は酸化金属類を調合して作った色とそれを定着させるための
フリット(ガラスの粉末)の混合物です。
 
上絵具は低温で溶けるフリット(760℃〜820℃程度)で色を定着させます。
 
イングレーズ絵具は高温焼成(1250℃程度)することにより
色が釉薬の中に浸透して定着する絵具です。少量のフリットが入っています。
 
下絵具にはフリットがほとんど含まれていません。
絵付け後に釉薬を掛けて高温焼成する絵具です。

 
色の主成分はどの絵具もだいたい同じです。
青系絵具だとコバルト化合物で、それをどのように定着させるかの違いで
絵具の種類が変わってきます。
 
コバルト化合物は熱に強く高温でも焼き飛ぶことがありません。
 
主成分が同じコバルト化合物である青系の絵具なら
上絵具、下絵具、イングレーズ絵具を高温焼成しても
きれいに焼きあがるではないかという疑問から
焼成実験をする事にしました。
 
今回使用した色は
【下絵具】焼貫ルリ呉須
【イングレーズ絵具】ブルーNo.3
【上絵具】ライトブルー

です。
 
同じような模様を描いて1220℃で焼成しました。
器はストーンウエアを使用しました。
ストーンウェアとはせっ器(せっき。せつは火へんに石)の事で、
陶器と磁器の中間的なものです。
陶器のように土を原料としているので自然な風合いがあり、
磁器のように高温で焼かれるため吸水性がなく、耐久性に優れています。
ストーンウェアは、「石のように硬い陶器」という意味です。
磁器より少しやわらかいので、やや低めの温度で焼成しました。
 
 
使用した窯の焼成のプログラムは
560℃まで210分
900℃まで120分 ねらし10分
1220℃まで210分 ねらし20分
 
です。
イングレーズ焼成としては焼成時間が少し長い気もしますが
基本のプログラムとして入っていたのでそのまま使いました。
本来ですとイングレーズ焼成は焼成時間が短めの方が
色がきれいに出ると言われています。
 
それでは焼成前と焼成後を見ていきましょう。
 

1. イングレーズ絵具(ブルーNo.3)


イングレーズ専用の絵具だけあって非常に描きやすく
焼き上がりも青がしっかりと出てとてもきれいな仕上がりです。
 

2. 下絵具(焼貫ルリ呉須)


ウツワトエツケで売っている呉須はペースト状になっているので
そのまま白磁の上に描くのが難しいため、乾燥させて粉末状にして
水溶性メディウムで溶いてから使用しました。
 
一応描けましたが、筆の滑りがよくありませんでした。溶剤が原因かもしれません。
釉薬の中にしっかりと浸透しています。色も素焼きに描くのと同じように出ています。
呉須の雰囲気が出ているのではないでしょうか。
 

3. 上絵具

 
釉薬の中に浸透していますが、焼き上がりの色が薄くなっています。
色を定着させるためのフリットが色を薄くしているのでしょうか。
色の微調整で使っている熱に弱い酸化金属があるのでしょうか。
上絵具そのままの色にはなりませんでした。
 
描いた線をアップで撮ってみました。

アップで見てみると色が点々に白く抜けているのが分かります。
絵具に含まれているフリットが溶けたものだと思います。
 
 
今回の実験結果から上絵具は高温焼成すると色が薄くなること
そして当たり前ですがイングレーズ絵具が一番使い勝手が
いいという結論に達しました。今回は青系の色で実験をしましたが、
熱に弱い色を高温焼成すると色がほとんど飛んでしまいますので
ご注意ください。
 
イングレーズ絵具は
上絵付と同じ技法で描けて下絵付のように完全に釉薬に沈み込ませる
ことができガラスでコーティングしたような
つややかで深みのある美しい仕上がりが得られます。
高温焼成ができる窯をお持ちの方はぜひ使っていただきたい絵具になります。
 
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おまけとしてイングレーズ絵具や下絵具にフリットを混ぜて
上絵の温度で焼成する実験もしてみました。
 
ウツワトエツケで販売している『つや出しフラッキス』を混ぜて
820℃の温度で焼成しました。
 
混ぜる割合は
絵具1に対してフラッキス1
絵具1に対してフラッキス2
の2パターンです。
 
焼成結果は以下になります。
 

●イングレーズ絵具(画像下側の模様)

しっかりと焼き付いています。
もしかしたらフラッキスの分量を調整すれば
上絵具として使用することができるかもしれませんが、
耐酸性など安全性の面からも、今後実験を重ねる必要があると思います。


●焼貫ルリ呉須 

フラッキスの量を多めに入れないと定着しませんでした。
1:1で混ぜたものはイングレーズ絵具の仮焼きのような状態で艶もなく
触るとザラザラしています。
1:2で混ぜたものは艶も出て定着しています。
 
絵具の性質を知り、絵付けを楽しんでいただければと思います。
(文/講師・柳田)
 

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